To Do リストを作っていると、イヤになってしまうことはありませんか? いつも完全には終わらない上に、自分にとって大切なことまで手が届かない。そんな不満の解消法を調べてみました。
- 何に時間を使いますか?
- To Doリストから重要タスクを選び出す
- 最も重要なことを優先するTo Doリスト
- 無理なタスクを削るTo Doリスト
何に時間を使いますか?
非常事態宣言も全面解除となり、ビジネスも本格化することでしょう。やや滞っていた仕事を、一気に片付けなくてはいけないといった事態も考えられます。そんなときTo Do リストを作っていると、あまりのリストの長さにめげそうになりませんか?
特に頭を悩ませるのが、雑務に追われ、自分にとって本当に大事なタスクに手がつかないことです。
スティーブン・R・コヴィー博士が書いた『7つの習慣』は、時間の使い方を4つに分類しました。
第一領域……緊急度・重要度とも高い
第二領域……緊急度は低いが、重要度は高い
第三領域……緊急度は高く、重要度は低い
第四領域……緊急度・重要度とも低い
そしてビジネスの永続的な発展には、「第二領域」が重要だと説いたのです。
商品開発や人間関係構築などが「第二領域」に入るとわかれば、その重要性は理解できるでしょう。
しかし実際の仕事では、「第三領域」に時間を奪われてしまい、疲れ果てて「第四領域」(例えば、ネットやゲームなど)に費やしてしまいがちです。
慌ただしいだけで、自身の未来をつくるために時間を使えないような生活をどうにかしたいと思っている人は多いでしょう。忙しさが本格化する前に対策を練っておきたいですよね。
To Doリストから重要タスクを選び出す
メンタリストDaiGoが書いた『倒れない計画術』には、米国でTo Do管理サービスサイトを運営している会社の調査結果が掲載されています。
To Doリストには、箇条書きにした項目のうち41%が決して実行されることのないwishリストになってしまうという難点がある。書き出されたTo Doリストの項目のうち50%が、その日のうちに実行され、その多くは1時間以内に終わっている。
この調査からわかるのは、人は思いつくままにやることを書き出し、簡単にできるものから手を付けているというのです。先程の領域でいけば、第三領域のタスクが多くの時間を奪ってしまっているというわけです。
『倒れない計画術』では、この対策としてタスクを書き出した後、すぐ終わる項目をあらかじめ消して、本当に必要だと思えることを選び出し、それをスケージュールに組み込めば「第二領域」のタスクも手を付けることができるというわけです。
最も重要なことを優先するTo Doリスト
『時間術大全』を書いた元グーグル社員のジェイク・ナップは、「やるかもしれないリスト」の作成で自分にとって重要なことを勧めようと提案しています。
まずやるべきことをすべて書き出します。ここまでは通常のTo Doリストと同じです。そこから重要なタスクを抜き出して、それを「ハイライト」に指定して、正確に時間を見積もり予定表に書き入れます。
ポイントは、この「ハイライト」でしょう。
「毎日、その日の優先事項としてスケジュールを確保する活動」
がハイライトで、ジェイク・ナップは、毎日ハイライトを選び、それを最優先事項にすることを提案しています。
最初から「重要性」という軸で、To Doリストを作成しようという試みです。
無理なタスクを削るTo Doリスト
『時間術大全』の共著者であり、元グーグルの社員だったジョン・ゼラツキーは、使い捨てのバーナー(コンロ)リストの活用を勧めています。
まず1枚の紙の真ん中に縦線を引きます。ページの左側が手前のバーナー(コンロ)、右側が奥のバーナーというわけです。そして左側に1つだけ最重要プロジェクトの名前を書いて下線を引き、ここ数日でやれそうなタスクを書き出します。このとき必ずリストの下に余白を残しておきます。タスクを足すときに必要だからです。
次に右側の上に2番目に重要なプロジェクトの名前を書いて下線を引き、同じようにここ数日で終わらせられそうなタスクを書き出します。
さらに右の下半分に最重要プロジェクトと2番目に重要なプロジェクトと関係ないけれど、やらなくてはいけないタスクを書き出します。
バーナー(コンロ)で料理をするときと同じように、注意をすべきは主に手前のバーナーというわけです。
この1枚のリストには、いつかはやってみたいけど手がつかない「wish リスト」はありません。そして重要なことは、
「目の前のすべてのプロジェクトやタスクを引き受けるのは無理」という事実をいやでも認識させられる
ということ。
そして、いくつかのタスクが終了したらバーナーリストを捨て、改めに作り直すのもこのTo Doリストのルールです。
結局、自分にとって大事なタスクを優先したいなら、その時間を先に取り、残りの時間で片付けられる仕事をこなしていくという方法でしょう。もちろん仕事を回せる人がいないなど解決できない問題もあるでしょう。ただ上記のようなTo Doリストを試せば、第二領域のタスクに1年以上まったく手を付けなかったといったことは防げそうです。
参考:『時間術大全』(ジェイク・ナップ ジョンゼラツキー 著/ダイヤモンド社)/『倒れない計画術』(DaiGo 著/河出書房新社)
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