直したい習慣の1つや2つは、だれにでもあるでしょう。週末のスナック菓子や睡眠時間を奪うネットサーフィン、食後に吸いたくなるタバコなどなど。そんな悪癖の数々を手放すための4つのステップを紹介しましょう。
- 悪習慣で「報酬」を得ている!?
- 取り除いてはいけない
悪習慣で「報酬」を得ている!?
私達は特に意識しなくても、顔を洗い、歯を磨くことができます。そうした習慣が私たちの生活を形作っているのです。習慣について調査したら、生活の半分は習慣だったという結果もあります。
習慣とは記憶された行動のパターンです。習慣化された行動は、たとえ面倒なことでも、無意識のまま実行することができます。これは脳の省力化でもあります。さまざまなことを処理しなければいけない脳にとって、習慣化された行動パターンがあれば、その間は別の処理を行うことができます。朝、駅に向かいながら今日すべきことを考えたりできるのは、習慣化された行動だからです。これが険しい山を登っている最中であれば、歩くことに一生懸命でほかのことを考える余裕などありません。
一方で無意識だからこそ、悪い習慣が続いてしまうといった問題もあります。
仕事から帰ってダラダラとネットに時間を費やしてしまうという人は、何となくスマホを手に持っていたりしませんか? 習慣によって自動的にネットに接続しているので、そのとっかかりを意識していなかったりするからです。
しかも習慣は「きっかけ⇒行動⇒報酬」という流れで築かれたため、その行動から「報酬」をもらっているのです。
例えば、ネットサーフィンにしても、自宅でソファに座ることが「きっかけ」でスマホをいじりだし、スマホを見ている時間は昼間のイヤなことを忘れられるといった「報酬」を得ているのです。
また悪い習慣は、感情的な衝動が満たされないと、終了のための行動を引き起こさないとも言われています。始めちゃうと何だか止まらないといった問題は、習慣が感情的な報酬と結びついてしまっているとことも大きいのです。
取り除いてはいけない
さて、実際に悪習慣をやめたいなら、その習慣を取り除こうとしてはいけません。特にしっかりと習慣化された行動を、ただやめようとしても誘惑に負けてしまうケースが多いからです。特に疲れているときや、いろんなことを我慢してきたときは、あっさりと悪習慣が復活してしまうのです。
本当に悪い習慣を改めたいなら、4つのステップを踏んでください。
①トリガーを特定する
まずは悪習慣のきっかけを探しましょう。そもそも習慣はパターン化された記憶なのですから、その前兆が必ずあります。ついついお菓子を食べてしまう人は、そもそもお菓子を買うために帰宅途中にコンビニに寄っていたりするのです。
あるいはお風呂に入った後、テレビを付けることとお菓子の袋を開けるのがセットになっているパターンもあります。
さらには気持ちが落ち込んだときといった心理的な問題が、悪習慣のトリガーになっていることもあるでしょう。
とにかく、どんなきっかけで悪習慣を始めてしまうのか、自分の行動を観察しましょう。
②悪い習慣を置き換える
悪い習慣に入るトリガーがわかったら、悪い習慣をしないようにするのではなく、新しい習慣に置き換えてみましょう。禁煙を決意した人がタバコを吸う代わりにアメをなめたといった話を聞いたことがあるかもしれません。
悪い習慣はしっかり記憶されているので、これを削除するよりも、きっかけから始まる別の習慣に切り替えた方が成功率が高いのです。何を新しい習慣にするのかをしっかり考えましょう。感情的な報酬のあるほうが、習慣化しやすいでしょう。
③新しい習慣の手間をなくす
新しい習慣を身に付つけるためには、行動を起こすときの手間を極力少なくする必要があります。面倒だと悪い習慣に戻ってしまうからです。ネットを見る代わりに勉強をしたいと思うなら、机の上の筆記用具と問題集を置くなど、すぐに始められるようにしておく必要があります。
逆に悪い習慣は取り掛かるのに、手間がかかるように設定しておきます。ネットサーフィンならPCの電源を入れるのに時間がかかるようにコンセントを抜いておいたりしてみましょう。
④成果を記録する
悪癖が一気になくなるわけではありません。誘惑に負ける日もあるでしょう。だからこそ日々成長している自分を確認するために、記録を付けておく必要があります。
新しい習慣にどれだけ時間を費やすことができたのかを書いておけば、ゆっくりでも自分が進歩しているのがわかります。
心理学を活用した生活改善に興味のある方は、こちらもご覧ください。
「5 Ways to Overcome a Bad Habit」(Sarah-Len Mutiwasekwa/Psychology Today)/『超習慣術』(DaiGo/ゴマブックス)/『習慣の力』(チャールズ・デュヒッグ/講談社)