何となく不安を感じて、いろいろなことが億劫になってしまっている人もいることでしょう。そんな不快な気分を取り除きたいと思っていませんか?それは逆効果かも!?不安に悩まないための重要な方法をお伝えします。
- 不安が強いと現実逃避に
- 気分に注目すると不安が高まる
- 願望に注目する
不安が強いと現実逃避に
不安を感じやすい人はいます。性格を5つの要素から考える理論であるビックファイブは、科学的にも信憑性が高いものとして知られており、その要素の一つである「神経症的傾向」は落ち込みやすく、不安が強い傾向であるとされています。つまりビックファイブの性格診断で、「神経症的傾向」が強い人は不安になりやすいともいえるでしょう。
不安に襲われると、どんなことが起きるのでしょうか?
米国のフォーダム大学の実験で明らかになったのは、「神経症的傾向」が強い人が現実逃避に走りやすいということでした。
380人の実験参加者に対して、以下のような質問をしました。
「投資のチャンスを逃した後で、そのパフォーマンスを見てみたいですか?」
「命に関わるような病気のリスクの高さを知りたいですか?」
「自分がスピーチをした時に、そのスピーチが他人からどれくらい評価されているのか、あるいは、評価されていないのかということを知りたいですか?」
といったような質問をしました。
これらの質問は、ネガティブだけど、今後の対策のためにも知っておいたほうよい情報を、どうしたいのかといったものです。つまりツライ現実を直視するのかどうかを調査したのです。
結果、約3割がネガティブな情報を避けようとしていたのです。つまり現実逃避しやすい傾向があり、そのような選択をした人は不安を感じやすい人だったというわけです。
そのほかにも新しいことにチャンレジしにくいといったことも起きるかもしれません。もちろん不安が強いからこそ失敗しないように努力をするという人もいますので、一概に不安が悪いとは言えませんが、しんどいなと感じるなら対策を立てるべきかもしれません。
気分に注目すると不安が高まる
精神科医の勝久寿氏は、不安を取り除きたいと考えると逆に不安が高まってしまうと指摘しています。
実際、自信のない仕事を先延ばしにして、気を紛らわせるように現実逃避していたら、もっと不安になってしまったという経験がありませんか?
そもそも気分は変わりやすいものなので、気分をどうにかしようとするとうまくいかないことが多くなってしまいます。現実逃避をしているとき、いつか自分は気分が変わってやる気になると思ってしまうこともあるようですが、気分をどうにかしようと思っている限り、不安から解放されない可能性が高いそうです。
願望に注目する
不安への対処法として勝氏が提案するのは、気分に目を向けず、願望に目を向けることです。
そもそも不安を感じるのは、その裏側に願望があるからです。スピーチなどで緊張するのは、うまく話したいと思うからです。逆に結果なんてどうでもいいと考えているなら、不安すら感じることもないでしょう。
つまり不安の裏側にある願望に注目して、願望をかなえるために行動すれば不安は強くなりにくいのだそうです。
具体的に考えてみましょう。
例えば1週間後のプレゼンに向けて、資料作りを進めるはずが手に付かないというケース。現実逃避の時間が重なるごとに不安が強まるを感じています。
そんなときは、「やる気にならない」とか「うまくできるか不安だ」という気分に着目するのをやめて、自分の願望が何かを書き出してみます。
・プレゼンに勝ちたい
・周りの期待に応えたい
そんな願望に気付いたら、願望に合った行動も書いてみましょう。
・自社の強みを突き詰める
・プレゼンの関係者から情報を集める
いくつかの行動をかき出せたら、気分を無視して、行動を起こしましょう。自分がすごくやる気になるような時間などこないとあきらめて、一歩を踏み出すことが重要です。
あなたが不安によって、現実逃避から抜け出せないと感じていたら、ぜひ試してみてください。
心理学に興味のある方は、こちらもご覧ください。
参考:『いつもの不安を解消するためのお守りノート』(勝久寿/永岡書店)/「無意識の【現実逃避】を防ぐ方法」(DaiGo/Mentalist DaiGo Official Blog)