自分を変えたいという願望を持つ人は少なくないでしょう。そして、そのためのテクニックも世に溢れています。しかし『自分を変える89の方法』ほど多くのやり方を集めている書籍は珍しいでしょう。そこであまり目にしたことのない自己改革の方法を、この本から紹介しましょう。
- 巷に溢れる自分を変える方法
- 周囲の世界から黄金を見いだす
- 幸せを目標達成の道具にしない
- やる気を高めるために他人に貢献する
- 匿名で誰かに幸運を届ける
- 途方もない約束をする
巷に溢れる自分を変える方法
自分を変えていく方法を心理学から学びたい人は多いようです。そのため、さまざまな研究成果がネットに溢れています。しかし『自分を変える89の方法』(スティーヴ・チャンドラー/ディスカヴァー・トゥエンティワン)には、あまり目にしない方法が紹介されていました。
そこでその珍しい方法を紹介していきましょう。
①周囲の世界から黄金を見いだす
幸せなときは世界も幸せに満ち溢れているように感じるし、気分が落ち込んでいるときはろくなことがないように感じるものです。つまり世界は自分の心を反映したものなのです。
だからこそ自分のモチベーションをコントロールしたいなら、意識的に前向きな材料を探すようにすべきだと、スティーヴ・チャンドラーは書いています。チャンスを探す態度を取ることでチャンスが見つかり、前向きな材料を探すことで前向きな兆候を感じることができるからです。
そもそも一般的な人の現実のとらえ方は、やや楽観的だといわれています。もし悲観的な未来しか思い描けないなら、地震の多い日本などの国に住むことも耐え難く感じることでしょう。そうしたネガティブな要素を脇へ置き、未来を信じて歩いてきたからこそ、日本経済はここまで発展してきたともいえるのではないでしょうか。
自分を変えたいと思うなら、自分の可能性を信じて、前向きな材料を探してみましょう。
②幸せを目標達成の道具にしない
多くの人は目標を達成すれば幸せになれると考えがちですが、スティーヴ・チャンドラーは、その考え方に問題があると指摘します。というのも目標達成しないと幸せになれないなら、一生幸せになれないかもしれないからです。
幸せは出発点であり、目的地ではないという言葉を胸に刻み、自己成長の過程であっても幸せをつかむようにしてみませんか? 現状の自分であっても幸せに感じる要素はあることでしょう。その幸せを感じた上で、さらに自分を変えていきたいと努力することで、幸せを感じながら自分を改革していくことができるそうです。
③やる気を高めるために他人に貢献する
人間としての成長は、自分のことを忘れることによって起きると、スティーヴ・チャンドラーは書いています。
自分が欲しいものを手に入れようとするのをやめて、相手がほしいものを手に入れるのを手伝うように態度を変えると、仕事も楽しくなり、収入も増えるそうです。他人に何かを与えることで幸福を感じることはよく言われていますが、やる気もそうした行動から生まれるそうです。
確かに自分のためだけに頑張れないと感じている人も少なくないでしょう。家族や恋人、お客様のために動いてみることで、やる気が高まるかもしれません。
④匿名で誰かに幸運を届ける
「人生に幸福を呼び込むには、他人に幸福を贈ればいい」と本書には書いてあります。お金の問題で困っている人がいて、自分に余裕があるなら、そっとその人に届けるといったことも推奨しています。
こうした行動が幸運を招く科学的な根拠はないものの、試してみれば実感できるとのこと。他人に幸福を届けるプランを練ってみるのも価値のあることかもしれません。
⑤途方もない約束をする
最大限努力してもかなえられるかわからない約束をすると、通常の方法を超えて約束を果たそうとするそうです。もちろん、こうした約束が常にプラスに働くとは限らない。しかし現状を大きく変えたいと思うなら、常識の範疇を超えて行動してみるのも一つの方法でしょう。
著者は子どもとの約束を守るために、仕事を変えたと書いています。参考にしてみてください。
心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:『自分を変える89の方法』(スティーヴ・チャンドラー/ディスカヴァー・トゥエンティワン)