「早起きは三文の得」とは言いますが、なかなか早起きの習慣は身に付かないものです。さらに実際にどんな効果があるのかもわからないといった側面も。そこで早起きに関する最新研究と、早起きを定着させる方法についてまとめました。
- 言語能力のポイントは生活リズム
- 気持ちが変わる早起き
- 早起きを続ける3つのテクニック
言語能力のポイントは生活リズム
早起きの人は言語能力が高いと聞くと、不思議な気持ちになるかもしれません。作家などが夜中に原稿を書いているというイメージを、多くの人が持っているからです。実際、過去の研究では夜型の方が言語能力が高いといったものもあったようです。
ところが年齢などの条件を加味すると、早起きの方が言語能力が高まることが判明しました。思春期を過ぎると、その傾向が高まるそうです。そのポイントになっているのが、生活のリズムなのだそうです。
一貫した毎日のスケジュールと安定した睡眠・起床のサイクルにこそ、言語能力を高める可能性があるというのです。しかも起きてしばらくは、頭が良く回っているので文章を書くのに向いているそうです。
ただし『ライフハック大全』(堀正岳/KADOKAWA)には、メールのやりとりを朝一番にすべきではないと書いています。というのも起きてしばらくは、最も集中力の高い貴重な時間のためメールのやり取りに浪費するのはもったいないということでした。
早起きして仕事を片付けたいなら、プレゼンの資料の作成など、脳をより活用する必要があり、なおかつ言語を使うものが良いようです。
気持ちが変わる早起き
『頭が冴える! 毎日が充実する! スゴい早起き』(塚本亮/すばる舎)には、勉強時間を夜から朝に変えたことで、一気に成果が出たと書かれています。その理由について夜の疲れた頭で勉強をしようとしても、効率が悪く、自己効力感が下がってしまったと分析しています。
一方、朝早く起きて勉強すると、自分をしっかりとコントロールしている実感があり、モチベーションアップにもつながったというのです。
さらに早起きするためには、夜のダラダラした時間を削ることにもつながるので、「時間がない」といった悩みも解決するそうです。
もちろん、その人の生活のリズムもあるとは思いますが、実際に早起きして頭の回転の良さを実感できれば、早起きしたいと思うかもしれません。仕事が終わってだと勉強が進まないといった人は、試しに早起きして勉強しているみもいいでしょう。
早起きを続ける3つのテクニック
ただ、早起きにメリットがあるとわかっても、なかなか生活習慣を変更できない人もいるでしょう。そんな人にお勧めなのが、以下のテクニックです。
①早起きしてやりたいことをリスト化する
早起きに必要なのは、それによってプラスが得られるという実感です。そのために、早起きしてやりたいことをリストアップしましょう。もちろん資格の勉強のように、やる気やモチベーションが必要なものでなくても構いません。散歩など気持ちよいと感じることでもいいのです。
とにかく毎日、早起きしたいと思えるようにリストをつくりましょう。
②起きる時間を固定する
冒頭にも書きましたが、言語能力と密接な関連があったのは、生活のリズムでした。それは一定のリズムを脳が望んでいるからです。
そのリズムをつくるのが起床時間。ムリなく起きられる睡眠時間を設定し、決まった時間に起きるようにしましょう。できれば休日も同じ時間に起きるようにすれば、よりリズムがととのいます。
③楽しいルーティンを見つける
起きてから1杯のコーヒーを飲む、好きな音楽を聴くといった楽しくて、気持ちのよいルーティンをひとつ見つけましょう。人は快適だと感じる事こと続けられるもの。何が朝の起きる事の快楽につながるのかを考えて、自分にとっての早朝ルーティンを決めてみてください。
今日は早起きと言語能力の関係と、早起きを続けるテクニックについてまとめました。気になったら試してみください。
人の心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:『ライフハック大全』(堀正岳/KADOKAWA)/『頭が冴える! 毎日が充実する! スゴい早起き』(塚本亮/すばる舎)/「Do Early Risers Have Greater Verbal Skills Than Night Owls? 」(Christopher Bergland/Psychology Today)