非常に繊細で感受性豊かな気質を持つHSPにとって、今回のコロナ禍はどのように映っているのでしょうか?当事者のブログなどを読み、その傾向をまとめ、さらに対策などについても調べてみました。
- 一人の時間も必要
- メディアの情報がツライ
- 無理をしない時期
- テレワークは意外に好評!?
一人の時間も必要
HSP(Highly Sensitive Person)は、アメリカの心理学者、エレイン・アーロン博士が提唱した概念で、繊細で感受性豊かな気質を指します。本質的に生涯変わらない特性であり、人口の15%~20%が持つ気質と言われています。
さて、HPS自身がつづるブログなどをいろいろと読んでみたところ、やはり「コロナ禍」を、ツライと感じる人が多いようです。最も多くの人が挙げていたのが、世間のザワザワとした雰囲気と攻撃的な人たちの出現でした。
新型コロナウイルスの問題が発生して以来、イライラしたり殺気立っている人が多くなっているようです。感情への反応が強く、ケンカをしている人を目にするだけでも滅入ってしまうHSPにとって、こうした状況は刺激が強すぎるのではないでしょうか。
人によっては買い占めの結果となるスーパーの棚を見ただけで、落ち込んでしまうそうですが、自宅待機が推奨されている状況ではあまりイライラした人に会わないで済むかもしれません。
もちろんパートナーがイライラしてしまったり、そうでなくてもパートナーと顔を合わせる時間が多くなり疲れてしまうケースもあるようです。 エレイン・アーロン博士はHSPカップルのコロナ対策として、パートナーと一緒にいるのがつらくなったら、できれば一人で外に出ること、自分の部屋があるなら部屋にこもることを推奨しています。HSPは一人で過ごす時間が必要なタイプなので、離れている時間や話さない時間を明確にして一人の時間を確保する必要があると指摘しています。
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メディアの情報がツライ
メディアの情報がツライという記述も当事者のブログには数多くありました。基本的に新型コロナウイルスが蔓延する中での悲惨な話が取り上げられるので、その影響を受けてしまうのかもしれません。
ネガティブな情報のラッシュに疲れてしまったら、報道を目にしないようにすることが一番。これは「コロナ疲れ」対策でも、よく言われていることなので、思い切ってテレビや携帯などを見ないといった決断も必要なのではないでしょうか。
無理をしない時期
非常事態宣言などによる「新しい生活」自体に慣れないという文章もいくつか目にしました。環境の変化が苦手な人も多いため、ここまで大きな変化が続くと、気持ちも落ち込みがちになってしまうようです。
また多くのHSPが、「みんなツライ時期なのに申し訳ないが」といった書き込みをしていました。他人を思いやることも多い気質なので、自分だけがより「ツライ」のだと表現することに申し訳なさを感じてしまうのかもしれません。こうした感情は愚痴を言うこと自体をためらわせてしまうかもしれません。
現状では環境調整が難しいかもしれませんが、当事者のブログでも何人が触れていた「無理をしない」ことが重要かもしれません。エレイン・アーロン博士も、混乱を減らすために一部屋を片付けたら、あとは家事を手放すようにアドバイスしています。
繊細ではない人にとってもストレスが溜まりやすい状況なので、HSPの場合はさらに心に負荷がかかっている可能性が高くなります。だからこそ今は無理をしないという選択は大切かもしれません。
テレワークは意外に好評!?
もちろん新型コロナウイルスの問題が、HSPの人にすべてマイナスに働いるわけではありません。テレワークは意外に好評です。もちろんオンライン会議などへの違和感を訴える人もいますが、そもそも通勤電車の苦痛がなく、実際の会議よりも途中退席がしやすいといったプラスの面を感じている人も少なくないようです。
また人によってはオンラインの方が、他人からの影響を受けにくいので、その点でも楽といった声がありました。
なかなかストレスの発散が難しい状況ですが、オンラインのアートクラスへの参加や奇想天外な料理を作ることも、HSPのカップルにはプラスに働くと、エレイン・アーロン博士は語っています。
マイナスの刺激を減らしつつ、できる範囲の気分転嫁で現状を乗り切りたいですね。
参考:「Sheltering in Place Support for HSP Parents and Couples」(Elaine Aron, Ph.D./『Psychology Today』 )
メンタルヘルスや心理学に興味のある方はこちらをご覧ください。
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