話しているだけで相手を魅了してしまう人がいます。そこまでのスキルを持てなくても、せめて好かれるように話したいと思う人は少なくないでしょう。そこで相手に好かれる話し方のポイントを紹介します。
- 話し方3つのポイント
- 好意を持つ心理って?
話し方3つのポイント
2020年のベストセラー『人は話し方が9割』(永松茂久/すばる舎)には、話す力は「スキル」より「メンタル」が重要だと指摘しています。その「メンタル」のポイントになるのが、「自己肯定感」だというのです。話すのが苦手だと思っている人は、自己肯定感が下がっているケースが多く、そこが改善されると話しやすくなるそうです。
そして次の3つのポイントに注意すれば、簡単に話せるようになるそうです。
①否定禁止
これは話しにくい場面を想像すれば、その重要性がわかるでしょう。
何を言っても否定されるような状況だと話しにくいですし、口数も減っていきます。否定されない内容を探して会話をしても、話が弾むわけもありません。
また本書によれば、相手の話を否定しないように心がければ、自分が否定されることも減っていくそうです。話し相手から好かれ、かつ自己肯定感を上げるためにも相手を否定しないことを心がけて話してみるといいでしょう。
②プラストーク
前向きな話をすることが非常に大切だと、本書では指摘しています。「人をほめること」「感動した話をすること」「現状を良くしていこうとすること」などは、すべて前向きな話に含まれるそうです。もちろん後ろ向きな話をしなければならないこともあると思いますが、「好かれる人」になるためには極力前向きな話を選びましょう。
それでも後ろ向きな話をしなければならないときは、最後だけは明るい話題にしましょう。アメリカの心理学者ノーマン・アンダーソンが唱えた「親近効果」によれば、最後に示された印象が強く記憶に残るそうです。最後に前向きな話題を持ってくることで、話全体の印象も変わってくるでしょう。
③笑顔でうなずく
うなずきやあいづちがどれほど大きな役割を果たしているのかを多くの人は知りません。しかしうなずきやあいづちのない会話を続けるのは、とても難しいものです。
実際、スマホやテレビに気を取られている人に話かけた経験があれば、相手の反応がない中での会話の虚しさがわかるでしょう。逆に笑顔でうなずくようにすれば、相手は安心して話せるようになり、より気持ちよく話せるようになるのです。
『自分を活かすコミュニケーション力』(荒木晶子・藤木美奈子/実務出版)にも、笑顔での会話の効果について、次のように書いています。
笑顔満開でいきいき話していれば、好感がもてます。笑顔で語りかけるという行為に、聞き手と親しくなりたいという親和欲求が表現されているため、聞き手も親近感を抱くのです。
実際、緊張する面接の前などに、「嬉しい~、楽しい~、面白い~」と体を揺らしながら満面笑顔で3回繰り返すと効果があるとも書いてありました。「好かれる人」の話し方として、笑顔はとても重要でしょう。
好意を持つ心理って?
『人は話し方が9割』(永松茂久/すばる舎)には、好意を持つ心理の3つの原則を示しています。
①人は自分への関心が一番強い
②人は自分のことをわかってほしい
③人は自分のことをわかってくれる人に好意を持つ
この原則に沿って、相手を理解する、それがかなわないなら、理解しようと全力を傾けることで好かれるようになるそうです。そのためには、自分のことを話すよりも、相手の話をより真剣に聴こうとする態度が重要になります。
この3原則は自分の心理にも当てはまるので、ついつい自分のことを話し、自分のことを理解してもらうように動きがちですが、「好かれる人」の話し方を身につけたいなら話すよりも相手の話を聴くことに注力すべきでしょう。
今日は話し方のスキルは、誰でもトライできますので、ぜひやってみてくださいね。
コミュニケーション能力について興味のある方はこちらもご覧ください。
参考:『人は話し方が9割』(永松茂久/すばる舎)/『自分を活かすコミュニケーション力』(荒木晶子・藤木美奈子/実務出版)