人は1日に200回はウソをつくと言われています。たいがいは人を傷つけない他愛のないウソです。その中には仕事上、どうしても必要だったハッタリなども含まれます。では、そうした数多くのウソを見破るには、どうしたらいいのでしょうか?
- 3つのしぐさでウソを見破る
- 脳のトラブルは声に表れる
- 低い声で信頼を勝ち得る
3つのしぐさでウソを見破る
ウソを見破る方法として最も一般的なのは、表情やしぐさを観察することでしょう。よく目をそらすのはウソをついている証拠だと言われますが、じつはこれは間違い。
そもそも知識がなければ、ウソを見抜けることはほとんどないことがわかっています。自分は騙されないと思っている人でも、実験すると見破れる確率は偶然と同じ程度だそうです。
そこで、まずウソをつく人に見られるしぐさの特徴を紹介しておきましょう。
①顔や体を無意識に触る回数が増える
②発言前の沈黙が少ない
③微笑みが少ない
わかりやすいのは、この3点です。テキサス工科大学の学生を使った実験で、明らかになったものです。
顔の筋肉に注目したウソの見抜き方もあります。
表情が左右で違うケースもウソをついているケースが多いと言われています。笑み顔全体に広がらず、非対称だと感じた場合は、ウソかもしれないとちょっと気にした方がいいでしょう。
脳のトラブルは声に表れる
近年、ウソの見破り方で注目を集めているのが声です。
そもそもウソは脳にとってはトラブルなので、体の一部分がうまく動かないようになってしまいます。特に声帯は、その影響がでやすいため、震えたり、緊張感が漂ったりしてしまうのです。感覚的な表現ですが、ウソで声が固まっていると感じたことはありませんか?
このように声からウソを見破りたいなら、特に努力を必要としません。ニック・モーガン博士によれば、目をつぶって声を聴いているだけで、あやしいかどうかがわかるとのこと。相手が本当のことを話しているのかどうか不安に感じたら、少し目を閉じて声に耳を澄ましてみましょう。
ニック・モーガン博士は、そもそも声は感情が表れやすいもので、不安定な声は聴いている人を不快にさせてしまう可能性があるとも述べています。リーダーとしての適性なども、声の印象で判断されるケースがあるようです。
低い声で信頼を勝ち得る
さて、ここまではウソを見破る側の視点で書いてきました。しかし相手を傷つけないためのウソやハッタリなどを含めて、自分のウソがバレないようにする場合についても考えておきましょう。
まず、余裕を持つことが重要です。上記で書いたような「発言前の沈黙が少ない」「微笑みが少ない」といった状態になるのは、慌ててしまうからです。勢い込んで話し込まないように気を付けて、柔らかい表情を浮かべるようにしておきましょう。
また、常日頃から信頼されやすい声で話すようにすることも重要でしょう。
その最も簡単方法は、やや低めの声で話すことだそうです。うわずった声やカン高い声は禁物です。
常日頃から声の調子を意識して話すようにしておけば、ウソをついてしまったときも声に表れにくくなるでしょう。
ウソをついたときのしぐさや声は、相手に不信感を与える可能性があります。日常的にそうしたものを排除しておけば、より印象がよくなるでしょう。
他人の気持ちをもっと知りたいと思う方は、こちらもご覧ください。
参考:『決定版 面白いほどよくわかる他人の心理学』(渋谷昌三/西東社)/「Everything You Think You Know About Lying Is Wrong」(Nick Morgan Ph.D./Psychology Today)