良い習慣の連鎖が起きる「スイッチ」の入れ方!

良い習慣が、さらに良い習慣を連れてくることがあるのを知っていますか? そんな良い習慣が育つ「種」のような習慣を探す方法について、『自分を変える習慣力 Business Life』からまとめました。

  • 悪いスイッチも連鎖が起きる
  • 本当にしたいことを見つける5ステップ
  • やりたいことを明確にイメージする
  • 感情と環境をチェックする

悪いスイッチも連鎖が起きる

一つ習慣が変われば、次々と良い習慣が身につくと聞いて半信半疑な人も、その逆のパターンは経験したことがあるかもしれません。

例えば不規則な生活で寝不足を繰り返すとジャンクフードが無性に食べたくなるといったことは、その典型でしょう。しかも睡眠不足になるとホルモンのバランスが崩れて、満腹中枢が刺激されないため、ついつい食べ過ぎてしまうのです。気づけば、朝は起きられないし、栄養のバランスも崩れ、体重が増えて体は重くなり、運動への意欲も失っていくという状況に陥ります。

始まりは夜更かしだったのに、それが体に悪い習慣をいろいろと運んできたわけです。

その逆のパターンが、良い習慣の連鎖です。
オーストラリアのミーガン・オーテン氏とケン・チャン氏らの実験によれば、運動を続けた人は、「衝動買いの頻度」「喫煙量」「飲酒量」「カフェインの摂取量」「ジャンクフードの摂取量」「人との約束を果たした率」「人に親切にする頻度」といった項目で、よい行動を取る頻度が増えて、悪い行動の頻度が減ったそうです。

つまり自分の行動を変える習慣を見つけて、それに集中すれば人生も変わっていくと、心理実験で証明されたのです。

本当にしたいことを見つける5ステップ

さて、問題は自分の人生を変えるスイッチを、どうやってみつけるのかでしょう。

心理実験ではどんな習慣でも、良い習慣なら良い影響が広がると確認されています。ただ本当に自分が望んでいないと、そもそも習慣化が難しいのです。

著者の三浦将氏は、変化のスイッチを入れる習慣を見つけるためのポイントは、「本当にしたいことは何なのか」を明らかにすることだと解説しています。

ただ、多くの人は本当にしたいことを、明確化できないものです。仕事は楽しいけれど社長になりたいわけではない、家族は大事だけれど一生の目標になるものでもない。多くの人が何となく日々を送っているのではないでしょうか。目の前の仕事や用事をこなすのに忙しく、自分の真の望みを考える余裕がなかった人も少なくないかもしれません。

そんな人に試してもらいたいのが、本当の目的を確認するための5ステップです。
次の質問答えを、順番に書き出してみましょう。携帯やPCのメモでも構いません。

① 今取り組んでみたい習慣は何ですか? 1つ書いてください。

② ①を習慣化したいのは、何のためですか?

③ ②の目的が達成できたら、さらに何をしたいですか?

④ ③が達成できたら、さらに何をしたいですか?

⑤ ④が達成できたら、さらに何をしたいですか?

⑤に書かれたことが、あなたが本当にしたいことです。①に書いた身近な習慣から、どんどんレベルが上がっていくのがわかるでしょう。⑤で書かれたことが、今の自分にとって実現不可能だとしても問題ありません。イノベーションが必要な目標を見つけたことは、自分を大きく変えるチャンスにもなるからです。

また⑤で本当に自分がしたいことにいきついてないと感じる人は、①に選んだ習慣を変えて、同じように書き出してみましょう。5ステップが終わるごとにヒントが得られますので、少しずつ正解に近づいていくはずです。

やりたいことを明確にイメージする

さて、自分の本当にやりたいことがわかったら、できるだけ具体的にイメージしましょう。それが習慣を継続させるカギとなります。

じつは習慣を継続できない理由の一つは、自分の長期目標をしっかりと把握できないことにあるといわれています。長期的な視野が欠けているから、目の前の欲望に負けてしまうのです。
これはダイエットを考えればわかりやすいでしょう。
自分がどんなスタイルで、どんな生活をしているのかが思い描けないから、目の前のお菓子を止めることができないというわけです。

さて、自分の本当にやりたいことをイメージするとき、以下の項目を自分にたずねてみましょう。よりイメージがクリアになるはずです。

・達成したとき、どこにいるのか?
・誰といるのか?
・どんなことをしているのか?
・その場で見えているものは何か?
・どんな音が聞こえているのか?
・それをしているとき、どんな気持ちか?
・そのときの体の感覚は?
(『自分を変える習慣力 Business Life』三浦将/クロスメディア・パブリッシング)

感情と環境をチェックする

さて、自分が本当にやりたいことを明確にイメージできたら、日々習慣の維持に努めるわけですが、重要なことがあります。それは感情と環境が、習慣を支えるようになっているかという点です。

ほとんどの人が習慣化に何度も失敗しているのではないでしょうか。今年立てた目標に向けて現在でも実行している人は、かなり少ないでしょう。その理由は気持ちが、乗っていないから。理性では習慣を実行したいと思っていても、心がついていかなければ、人は行動をやめてしまいます。
逆に、やめようと思っても、自分が好きなことはついついやってしまうもの。

そこで習慣を続けたい気持ちになる仕組みをつくりましょう。以下の項目は、習慣化のときに推奨される項目なので、参考にしてみてください。

・習慣化できたあとに小さなご褒美を用意する
・習慣を続けたいと思える道具を購入する(勉強だったら文具など)
・習慣をバックアップするアプリを活用する
・周りに目標を宣言してサボれないようにする
・もし目標達成に失敗したら、自分の考え方と全く違う団体に寄付する
(自然保護に興味があるのに、観光開発の団体に寄付するなど)
・習慣の進捗具合を誰かに報告する

習慣を続けたいと思う仕組みや、習慣を放り出したら恥ずかしかったり悔しかったりする仕組みをつくることで、気持ちを調整していきましょう。

次に習慣を続けるのに、環境が適しているのかを検討しましょう。
例えば資格の勉強をするなら、その時間はネットやテレビなどの誘惑に負けないような環境が必要でしょう。定期的な運動をしたいと考えてジムに申し込むなら、通うのに無理のない環境なのかを、再度チェックしましょう。

今日は良い習慣の連鎖が起きる最初のスイッチの入れ方についてまとました。

心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会

参考:『自分を変える習慣力 Business Life』三浦将/クロスメディア・パブリッシング

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