「笑い」が心と身体を健康にすることは、よく知られています。ただ、医師からも認められるほど効果があることは知らない人も多いでしょう。そこで笑いの効果について紹介しましょう。
- 落語がリウマチに効いた!?
- 脳も活性化させる笑い
- おすすめの笑いは?
落語がリウマチに効いた!?
「笑い」が健康にいいと知っている人は少なくないでしょう。「笑う門には福来る」といいうことわざもある通り、笑えば心身ともに健康になるのはうなずける話ではないでしょうか。ただ、この「笑い」の効果が、ときに医療レベルの効果を発揮することを知っていますか?
笑いの研究でよく知られているのは、米国の編集者だったノーマン・カズンズの実体験です。彼は脊椎や骨盤の炎症が原因で起きるリウマチ性疾患「強直性脊椎炎」にかかり、歩くことすらままならない状態となりました。病が進行していくなかで、彼は病院を退院して面白いビデオを見続けました。病院では痛みで眠れなかったのに、大笑いした後は痛みがなく数時間は眠ることができたそうです。
こうした日々を半年間続けているうちに、病気もすっかり治ってしまったというのです。彼の体験は本として出版されました。また、この本をきっかけに医師のハンター・キャンベルは患者を笑わせる医療を展開。その活動は、ロビン・ウィリアムズの主演で「パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー」として映画化されました。
笑いの効果については、日本でも実験が行われています。慢性関節リウマチの患者のために落語家を招き、笑ってもらった後に患者の血液を調べたところ26中22人に効果があったというのです。
さらに糖尿病やガン患者の免疫力にも、笑いがプラスに働いたことが明らかになっているのです。
脳も活性化させる笑い
笑いは脳の活性化にも効果を発揮することが知られています。
米国でも高齢者を対象とした実験で、笑った後は短期の記憶テストの成績がアップしたという報道があります。
また、「笑いが脳の活性化に及ぼす影響」(畑野相子)という論文には、笑いによって集中力などが向上し、記憶力もよくなったことなどを明らかにしています。ただし記憶力や言葉の連想などは、大笑いしたときのみ効果があったとされています。
大笑いをすれば、頭の回転も速くなるというわけです。
また気持ちが落ち込んで笑う気分にはなれないとういう方には、とりあえず作り笑いをお勧めします。というのも作り笑いをすれば、顔につられて気分が変わる効果があるとされているからです。
どんよりした気分のときは、まずは作り笑いだけでも試してみましょう。
おすすめの笑いは?
さて、せっかくなので笑うネタについても書いておきましょう。
お手軽なのは、テレビかWebでしょう。現在、漫才やコントなども、芸人の公式サイトが過去の作品を流しています。またアマゾンプライムなどに入っている方は、落語の専門チャンネルなども設置されています。
もっと本格的にという方は、寄席などに行くのもいいかもしれません。浅草演芸ホールや新宿末広亭なども11/19現在は、公演を続けています。落語をしっかりと聴いたことがない人も多いかもしれませんが、伝統芸能のひとつである紙切りや講談なども含めて3~4時間近く楽しむことが可能です。
フラッと立ち寄って笑ってみるのもいいかもしれませんね。
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参考:『ブレイン・プログラミング』(アラン・ピーズ バーバラ・ピーズ/サンマーク出版)