プレゼンがどうもうまくいかないと思っている人は、意外に多いかもしれません。資料づくりは得意なのに、実際に話すとイマイチの反応しか返ってこない。だからといって練習を繰り返してもうまいくいかない。それは練習の方法が悪いのかも!
- プレゼンの練習が失敗の原因に
- ①聞き手に心を開く練習を
- ②聞き手の常識や信念を利用する
- ③聞き手に微笑み・うなずく
プレゼンの練習が失敗の原因に
プレゼンを成功させるのは、意外に難しいものです。自分なりにはうまく話せたつもりでも、あまり反応がよくなかったということもあるでしょう。じつはそうしたプレゼンの多くが、説明することだけに集中して聞き手の気持ちを考えていないことにあるようです。
そこで聞き手のことを考えたプレゼン成功の秘訣を3つ説明しましょう。
さて、プレゼンに代表されるさまざまな発表で、どうもうまく相手に伝わらないと思ったことありませんか? あるいは逆に誰かのプレゼンを聞いて、何だか胡散臭いなと思ったことは?
その原因がプレゼンの練習だと聞いたら驚くかもしれません。
コミュニケーションの専門家であるニック・モーガン氏は、スピーチやプレゼンがウソくさくなってしまう理由を、言語以外のボディーランゲージと言葉が一致しないことにあると説明しています。
まず、話し手は言葉よりも先にボディーランゲージで状況を説明するそうです。モーガン氏は次のように書いています。
「自然で無意識な動作はしばしば、次の瞬間の思想や言葉を示唆しているという。
言葉は、なぜそのような動作が生じたのかについて自己説明するものといえるかもしれない」
これは久しぶりに親しい友人に会った時のことを思い出せば、わかりやすいでしょう。あなたを見つけた友人が嬉しそうな表情とともに、「久しぶり!元気だった?」と声をかけてくれば、本当に会うことが嬉しいんだなと思うでしょう。
逆にあなたを見つけたときにウンザリした表情を見せたのに、次の瞬間「久しぶり!元気だった?」と満面の笑みを浮かべたとしたらどうでしょう。本当は会いたくなかったのかも、と感じるのではないでしょうか。
じつはプレゼンの練習は、本番のプレゼンから本来あるべき感情の発露や、それにともなうボディーランゲージを奪ってしまっているかもしれません。実際、淀みなく話そうと練習すればするほど、胡散臭くなってしまう可能性もあるのです。
①聞き手に心を開く練習を
モーガン氏は、練習すべきは「聞き手に心を開くことだ」と指摘します。うまく話すことに気を取られるあまり緊張して心を閉ざしているような態度だと、身構えているようにも受け取られてしまうからです。
話し手が家族や親しい友人に囲まれているような気持ちでプレゼンすれば、ウソ偽りのない態度で話せるようになるそうです。実際に心を開いて話せるような相手にプレゼンをして、自分がどんな気持ちで話しているのかを確認し、聞き役の友人から自分の様子をフィードバックしてもらうのも効果があると書いています。
②聞き手の常識や信念を利用する
プレゼンでは、聞き手に興味を持ってもってもらうような工夫が必要になります。心理学博士のスーザン・ワインチェク氏は、聞き手の常識や信念を利用することを推奨しています。
例えば業界の常識を覆すようなプレゼン内容だったとしても、まずは業界の常識を説明し、そのメリットにも理解を示した上で改善できる方法があると説明するのです。人は自分の信じている事実に耳を傾ける傾向にあります。その心理的傾向を使った方がプレゼンもスムーズにいくというわけです。
③聞き手に微笑み・うなずく
プレゼンもコミュニケーションだと考えれば、聞き手のアクションに反応することが重要になります。自分の説明だけに集中するのではなく、聞き手と目があったときに微笑んだり、うなずいたりするだけで聞き手の反応が違ってきます。
年間100回近くも講演活動をしている人の中には、登壇する前、舞台のやや奥で司会者からの案内を待つ間にも、聞き手を見まわし、目が合ったときには微笑むといったことを繰り返す人もいるそうです。
プレゼンは複数の人に一方的に話をする場ですが、その一人ひとりとコミュニケーションを取っていることは忘れてはいけません。
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監修:日本産業カウンセラー協会
参考:『コミュニケーションの教科書』(ハーバード・ビジネス・レビュー編集部/ダイヤモンド社)/『心理学的に正しいプレゼン』(スーザン・ワインチェンク/イースト・プレス)