自分の実力に自信を持てない「インポスター症候群」に効果的な3つの対策

「インポスター症候群」を知っていますか? 自分には実力がないと思い込んでしまう心理的な状態であり、それは仕事上マイナスに働くことも多いことが知られています。そんな「インポスター症候群」について、解決方法などとともに紹介していきましょう。

  • 詐欺師の気分とは?
  • 自己肯定感の低下は要注意
  • 性格との関係
  • 3つの対策とは?

詐欺師の気分とは?

インポスター(Impostor)とは詐欺師のこと。つまり直訳すれば、「詐欺師症候群」という奇妙なフレーズになります。ただ、ここでの「詐欺師」は誰かをだます人という意味ではなく、自分が詐欺師のように他人をだましていると思い込んでいる人といったような意味になります。自分の実力が周りの人が思っているほど高くないと思い込み、周りをだましているかのような罪悪感をもってしまう人たちを指すのです。

「インポスター症候群」に悩む人は少なくありません。約7割の人が人生のどこかの時点で、このような感情を抱いていたという研究結果もあるほどです。

「インポスター症候群」に悩まされていると、能力のなさを見抜かれることを極端に恐れるようになります。運がよくて今の位置にいるのに、自分の実力がバレたらすべてを失ってしまうと考えがちなのです。

結果、自分の実力をアピールすることできず、ネガティブな発言が多くなってしまいます。また自分の意見を主張することができず、上司の意見に沿った提案などをしてしまうといった行動をしがちです。そうした行動は自分のとってはもちろん、会社にとってもマイナスです。せっかくの実力が発揮できないままに、優秀な人材が埋もれてしまうことになるからです。

「自分なんて」「私なんて」といった言葉が口癖のようになっていたら要注意です。

自己肯定感の低下は要注意

また、「インポスター症候群」によって、本来は持っている能力がさび付いてしまうケースもあります。人間は自分が社会やコミュニティーで役立っている感覚で頑張れる生き物だと言われています。しかし自分が集団で役立っているという意識が低くなると、頑張りにくくなりますし、継続性も発揮しにくくなってしまうのです。

「インポスター症候群」と関連の深いものに、自己肯定感があります。自己肯定感が低くなると、この症候群にはまりやすくなってしまうのです。コンプレックスを刺激されるようなことが起きたり、大きな失敗をして自信を失っているときに、「本当はポンコツなのに」といった思いに駆られると「インポスター症候群」に近づきます。

また「インポスター症候群」は、社会的なマイノリティーの方がかかりやすいといった研究もあります。自分の実力が人種や性別などで認められにくい環境だと、「自分の現状は運がよかっただけだ」と思いがちだというわけです。

性格との関係

性格との関係も指摘されています。

その代表が完璧主義者でしょう。高いレベルを自分に求め続けると、結果的に自分が満足できない結果も多くなります。それは成長する上では大切なことですが、自分の実力を疑う結果にもつながります。

そうした状況を改善しようとワーカホリックになったり、それを超えて燃え尽き症候群となり、やる気を失ってしまうという結果にもつながりかねません。自分が完璧主義者だと感じる人は、「インポスター症候群」に注意する必要があるでしょう。

他人に援助を求められないタイプの人も、この症候群に陥りやすいそうです。

周りから評価されて疎まれるかもしれないから目立ちたくない、他人に助けを求めることは恥ずかしいといった思いが、「インポスター症候群」を強めてしまう可能性があるからです。

3つの対策とは?

では、自分の実力に自信がなく、運だけでどうにかなっているといった思いを抱えている人は、どうすれば「インポスター症候群」から脱することができるのでしょうか?

①自分をほめる
自分の自信を取り戻すことは、「インポスター症候群」はとても重要です。自分をほめる日記を書いて、卑下しやすい自分を変えていくといった方法もあります。
「インポスター症候群」の人は、自分を傷つけるような言葉を自らに語りかけてしまいがちです。こうした「独り言」をできるだけやめて、逆に自分をほめてみるようにしましょう。自分をほめる材料が浮かばないといったときは小さな目標を立てて目標の達成を自ら祝い、自分をほめるような癖を持ってみるのもいいでしょう。

②現在に集中する
「インポスター症候群」が強くなるのは、未来への不安です。そうした状況を改善するには、意図的に現在に集中することです。まず、目の前のことに注意を払い、一つずつこなしていきましょう。結果的に「インポスター症候群」から生じる不安が小さくなります。

③他人に依頼する
仕事などを自分だけ抱えることなく、周りの人に助けを求めてみましょう。いろんな人と行動することで、自分の実力も確認することができるようになります。
ただし完璧主義者の人は、自分と同じ水準を周りに求めないように注意しましょう。自分に課している要求が、仕事の水準に合致しないオーバースペックの可能性もあるからです。

日々の生活に使える心理学の活用法に興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:日本産業カウンセラー協会

参考:「5 Different Types of Imposter Syndrome」(Ⅿelody J. Wilding/themuse)/「Ditch the Imposter “Syndrome”」(Jill Stoddard Ph.D./Psychology Today)

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