優柔不断を改善したいと持っている人に贈るたった1つのヒント

どうしても決断が下せない。優柔不断な人の心理には、不確実な現実への不安があると言われています。そこで不確実な状況に対処して、優柔不断を改善したいと思っている人のためのヒントをまとめてみました。

  • 不確実な未来への不安が優柔不断を引き起こす
  • 決断するための行動が状況悪化につながる
  • 「わからない」と考える重要性
  • 豊かな人生のために不確実な未来を受け入れる

不確実な未来への不安が優柔不断を引き起こす

優柔不断な自分に苛立ったことはありませんか? 決めたいと思うのに決められない。その結果、成功を逃したり、人間関係を悪化させたり、その弊害はさまざまあるかもしれません。

決めなければ行動を起こせないので、優柔不断な人はいろいろな成果から遠ざかってしまう可能性があります。またときには決断しないことで周りの人を失望させたり、苛立たせてしまったりすることもあるかもしれません。

その根底にある要因の一つが、不確実なことに対する不安です。
例えばどちらの化粧水を買おうか迷っているときは、その効果や使い勝手が見えないという不安があります。値段に対して、どれぐらいのプラスがあるのか、確実にわかっていれば迷う心配はありません。実際、いつも使っている商品と比べて、コスパもいいし、効果も高い、自分の肌にも合うと分かれば、新しい商品を手に取ることに迷う必要もないからです。

決断するための行動が状況悪化につながる

しかも優柔不断な人がしっかり決断しようとしたとき、さらに問題を悪化させる可能性があります。

その代表例が、しっかりと決断するため、情報収集に集中しがちなことでしょう。もちろん決断を下すために、情報を集めるのは重要なことです。しかし不確実な未来がゼロになるわけではありません。

先程の化粧品の話で言えば、口コミサイトをいくら参考にしても、自分の肌の状態と合うのかは使ってみないと分からないのです。

しかも確実性を求めて動けば動くほど、不確実なことに敏感に反応してしまう「確実性効果」が働いてしまいます。

60%ぐらい確実な状況から80%確実な状況まで引き上げると、20%の不確実が気になってしまうというわけです。結果、100%の選択を求めて情報を集めまくってしまうケースも……。

Webを検索すれば情報はいくらでも集めることができます。だからこそ確実性を高めることに時間を費やし、結局、決断できないままに終わるといったことも起きてしまうのです。

情報を集めるのとは逆に、疑いを捨てるという選択肢を取る人もいます。
例えばどうにも怪しい人から交際を申し込まれ、決断ができないからと疑うことをやめるといった行動です。疑うことをやめると引き返すポイントを失います。「もしかしたらウソをついているのでは」と感じても、それを打ち消してどんどん前に進んでいってしまうからです。

こうした行動が悲惨な結果を招くことは、改めて説明するまでもないでしょう。

「わからない」と考える重要性

決断のためには情報は必要です。ただし情報は確実な未来を約束してくれるわけではありません。「正しい選択だ」と思えても、突発的な問題は常に発生します。実際、2年前の2019年12月に新型コロナウイルス感染症によって、日々の生活がここまで変わってしまうと予測していた人はほとんどいないのではないでしょうか。

リスクゼロの決断などなく、そのつど状況に対処していくことが最良の解決方法だと思えることが重要です。

北極圏に住むイヌイットは、「ナルホイヤ」という言葉をよく使うそうです。意味は「わからない」。例えば「明日は猟にでかけるの?」という質問に、彼らは「ナルホイヤ」と答えたりするのだそうです。

狩猟を糧としている人は、天候によって仕事ができない日もでてきます。厳しい自然の前には事前の計画など、何の意味も持たなかったりするのです。偶然が支配する生活に対応する。その行動原理から生まれたのが、「ナルホイヤ」というわけです。

計画を立てより確実な未来を求めようとすることで、ますます決断ができなくなってしまう。その現実を受け入れ、変化する状況に対応しようと決めることが、優柔不断を改善するポイントです。

優柔不断から情報を集め続けてしまっている自分を確認したときに思い出してもらいたいのが「ナルホイヤ」です。いくら情報を集めても、確実な未来などないと知ることが優柔不断を改善する第一歩であり、決断を下していくことで不安への耐性がついてくるようになります。

豊かな人生のために不確実な未来を受け入れる

不確実な未来を受け入れるようになると、別のプラスも付いてきます。

未来へのリスクを負う人ほど、他人との協力や他人への信頼をしやすい傾向にあることが、近年の研究でわかっているからです。不確実な未来を受け入れることができる人は、他人が裏切るかもしれない状況であっても、協力し信頼を寄せられるようです。

そうした傾向は、より豊かな人生をもたらすかもしれません。

もちろん計画は重要ですが、予想外の状況に漂い、対処していくことも、さまざまな災害の中に生きる私達には大切なことでしょう。「ナルホイヤ」の精神を、心のどこかで持っているようにしてみましょう。

日々の生活に役立つ心理学の知識に興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:日本産業カウンセラー協会

参考:「Tolerance to ambiguous uncertainty predicts prosocial behavior」(Marc-Lluís Vives Oriel FeldmanHall)/「Behind Chronic Indecisiveness: Desire for Certainty」(artin Seif Ph.D. ABPP and Sally Winston Psy.D./Psychology Today)/「【現代病?】優柔不断な人が増えている理由 ~行動経済学の視点で考えてみた~」(横山信弘)/『狩りの思考法』(角幡唯介/‎清水弘文堂書房)

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