重要な決断のときに注意したいことがあるのを知っていますか? 私たちが意識せずにやってしまう情報の取り入れ方について、その対策とともにまとめました。
- ネガティブな情報を無視
- 広告効果は商品購入後にも
- 確証バイアスに気づく2つの方法
ネガティブな情報を無視
詐欺事件などが報じられたとき、「どうしてこんなことを信じてしまったのだろう?」と思うことはありませんか。普通に考えれば怪しいと思うだろうし、そんなうまい話があるわけないと。しかし自分も同じような立場になったら、同じように騙されてしまう可能性があります。というのも人は心地よい情報だけを集める傾向があり、自分にとってネガティブな情報を無視する傾向があるからです。
自信の仮説や思い込みを肯定するため、自分にとって都合のよい情報ばかりを集める傾向性のことを、「確証バイアス」と呼びます。この「確証バイアス」の面倒なところは、無意識のうちに実行してしまうところです。
広告効果は商品購入後にも
確証バイアスの説明で、よく使われるのが車の購入です。
A社とB社の車、どちらを買おうか迷っていた人は、A社の車を購入した後、B社の広告に気づいても読まないそうです。しかし自分が車を購入したA社の広告は、しっかりと読んでいたのです。
さらに面白いのは、購入時に検討の対象にならなかったC社の広告は、A社B社よりも気づかないことが多いのに、目に留まったC社の広告はある程度読んでいたのです。
車を購入してしまったら、もう別の車をすぐに購入することはできません。そのため自分の決断を後押ししてくれるA社の広告を、人はよく読むようになるのです。実際、高級車のイメージを全面に出した広告は、その車を購入した人がよく見ているという報告もあります。
ここまで説明すると、B社の広告に気づいても読まない理由もわかるでしょう。B社の広告は、B社の車を買うべきだったかもと考えてしまう可能性が高いので、無意識に避けてしまうのです。
詐欺事件などでも、騙されている人はネガティブな情報を避けるため、普通は騙されないと感じるようなものに騙されてしまうのです。
確証バイアスに気づく2つの方法
重要な判断を誤らせる確証バイアスに要注重要な決断を下すときに、確証バイアスの影響をなるべく受けないようにするのは重要です。しかし無意識に行動してしまうだけに、確証バイアスに陥らないようにするのは簡単ではありません。ただ確証バイアスに気づくことはできそうです。確証バイアスに気づくための方法を2つ紹介しましょう。
①正しいかどうかを気にしていないか振り返る
情報収集するときに、正しい答えを求めようとしているなら要注意です。自分が思い込んでいることを、証明するために情報を集めている可能性があるからです。
逆に好奇心から調べているなら問題ありません。より面白いことを求めようという姿勢は、確証バイアスとは相反するものです。情報を集めているときに、自分は何が気になって動いているのかを考えてみましょう。
②反対意見を言ってもらう
友人や家族などに、あえて反対意見を言ってもらいましょう。自分が気づいていない問題点を指摘してくれることも多いからです。反対意見を聞くことで、自身の思い込みから解放される可能性が高まります。
またネットなどでネガティブな意見を集めてみるのもお勧めです。どんなに評判のよい商品でも、ネットにはネガティブな意見が掲載されるものです。だからこそ確証バイアスを打ち破るツールにもなりえます。
今日は確証バイアスの説明と対策についてまとめました。重要な決断をするときは、確証バイアスの罠にはまっていないのかを確認しておきたいですね。
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監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会