『はじめての明晰夢』で夢のコントロールにチャレンジする

夢を自在にコントロールできたら楽しいと思いませんか? 今日は『はじめての明晰夢 夢をデザインする心理学』(松田英子/朝日出版)から、夢をコントロールする方法を紹介します。

  • 夢は努力でコントロールできる!
  • しっかり眠るのが第一歩
  • 眠る前にすべきこと
  • 明晰夢のための起き方
  • 夢だと自覚するために

夢は努力でコントロールできる!

皆さんは「明晰夢(めいせきむ)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 明晰夢とは、自分が夢をみていると自覚し、展開をコントロールできる夢です。人によっては「明晰夢」の経験があるかもしれませんね。

夢をコントロールするといったことは、SFなどにも出てくるため、あまり現実味がないように感じるかもしれません。しかし『はじめての明晰夢 夢をデザインする心理学』によれば、明晰夢をみるための研究は昔から続けられているそうなのです。何より著者自身が心理学科の大学教授であり、睡眠などを研究した人物なのです。

驚いたことに、これまでの研究成果を活用すれば、明晰夢をみる確率は非常に高まるようです。そこで明晰夢をみる訓練法を、本書から紹介しましょう。

しっかり眠るのが第一歩

まず、明晰夢をみるためには、たっぷりと眠る必要があります。というのも睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠という状態を繰り返しており、夢はレム睡眠中にみることがわかっています。一般的に深い眠りと言われる「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」のサイクルを一晩で4〜5回繰り返しています。

そしてノンレム睡眠開始からレム睡眠終了までは約90分であり、睡眠時間が長くなるほどレム睡眠の時間が長くなります。

最も深い入眠直後の90分は、ほとんどがレム睡眠でノンレム睡眠は5分程度。それが90分のサイクルを繰り返すうちに、ノンレム睡眠は30~40分と伸びていくのです。つまり、しっかりと夢をみるためには、まずしっかりと睡眠時間を確保することが重要になってきます。

さらに休日でも同じ時刻に起床するなど、質の良い睡眠を確保した方が成功しやすいようです。

眠る前にすべきこと

心配ごとがあるときは、それが夢に反映されやすくなるため、明晰にチャレンジするときなら、時間がたっぷりあり、心穏やかなときがいいようです。さらに寝る前に好きな音楽を聴いたり、アロマをたくなどリラックスできるようなルーチンを用意しましょう。

寝る前にはみたい夢をイメージすることも大切です。今晩みたい夢のキーワードを選定し、ストーリーを書き留めてみましょう。キーワードにイメージが結びつくように、イラストを描いたり、関連する写真を眺めたりするのも効果的です。
また、明晰夢にチャレンジするときは、「この夢を今晩みる!」「夢をみていることに気づく」といった決意表明もしっかりとしましょう。

さらに眠りに落ちる直前に、改めてみたい夢をイメージしてみましょう。

明晰夢のための起き方

せっかく明晰夢をみても、起きたときに覚えていなければ仕方ありません。そのためには夢の記憶をかき消すような大音量の目覚まし時計は止めた方がいいそうです。

小さな音や朝日のような光で目覚める目覚まし時計を用意するといいでしょう。

また二度寝をすると明晰夢をみる可能性が上がるので、90分のサイクルを計算して、レム睡眠で夢をみているであろう時間に目覚ましをかけるのも有効とのことです。

再入眠するときには、これまでみていた夢の続きをみるようイメージすると、それが明晰夢をみる訓練となります。著書によれば、夢をコントロールするためにベストなのは60分。つまり本当の起床時間の1時間前に光などで目覚め、軽く覚醒してから本当の起床時間まで眠るようにすれば、明晰夢をみる可能性が高まります。

夢だと自覚するために

眠りの浅い二度寝だと夢を覚えている可能性が高まることは、多くの人が経験上知っているのではないでしょうか?

ただ、明晰夢は単に自分のみたい夢をみて、それを起きても覚えているといった夢ではありません。重要なのは、夢の中で夢だと自覚できること。

これは他人の夢に入り込んで企業秘密などを盗み出す人たちを描いたSF映画『インセプション』でも、大きなポイントとなっています。いまが現実なのか、夢のかを判別できることが、夢をコントロールする基礎となります。

そのため夢かどうかを判別できるポイントを、夢の中で探さなければいけません。手を押して圧や痛みを感じるか試す、時計の動きに変なところがない確認するといったことが代表的な判別法です。
ちなみに『インセプション』では、主人公のコマが止まることなくずっと回り続ければ夢だとわかるようという設定でした。

さて、それではこうした判別法を、夢の中で実行するにはどうしたらいいでしょう? 有効なのは、日常生活でも決まった時間にタイマーをセットし、判別法を実施することだそうです。こうした日々の訓練によって、夢の中で同じ行動を起こせる確率が高まるようです。

現実世界は自分の力でコントロールすることが難しくても、寝ている間にみる夢をコントロールしたいという願望は多く人が持っているのではないでしょうか。それは「夢物語」ではなく、努力すれば叶うもののようです。

明晰夢を真剣にみたいと思う人は、より詳細な情報が掛かれている『はじめての明晰夢 夢をデザインする心理学』を読むことをお勧めします。

人の心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会

参考:『はじめての明晰夢 夢をデザインする心理学』(松田英子/朝日出版)

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