「ストレスが溜まっているな!」と思うことは、誰にでもあるでしょう。でも、そんなときの対処法は間違っているかも!? ストレスをきちんと解消できる心理学的方法をまとめてみました。
- 必要なのは自分でできるストレス対策
- ストレスを分析する
- ストレスを増大させる解消法をやめる
- ストレスを軽減する生活習慣を守る
必要なのは自分でできるストレス対策
ストレスをゼロにすることは不可能です。そもそも適度なストレスは脳を刺激して生産性と集中力を高めることがわかっています。ときには問題解決や目標達成の動機として働くこともあるでしょう。
問題なのは、ときにストレスが大きくなり過ぎてしまうことです。「眠れない」「やる気がでない」「わけもなく涙が出てくる」といったような症状は、もしかしたら過剰なストレスが原因かもしれません。当たり前のことですが、身心の不調を感じたら病院に行った方がいいでしょう。
ただ多くの人は、病院に行くほどでもないけれど気分が晴れないといった状況で、ストレスへの対処法を探していたりするものです。そこで自分でできるストレスへの対処法を紹介しましょう。
ストレスを分析する
どんなことにストレスを感じているのかを分析して、リスト化してみましょう。
職場や子どもの人間関係、仕事の内容、生活習慣などなど、自分がストレスを感じるものを書き出してみます。
そしてストレスの高いものから、対処法を考えてみましょう。
ここでは、人間関係と生活習慣の対処法をご紹介します。
・人間関係
人間関係であれば、できるだけ距離を置くといった方法もあるでしょう。どうしても避けられないなら、アサーションという対人関係を円滑にするためのコミュニケーションスキルを取る方法もあります。
【対処法】
相手に対して一方的に自分の意見を押し付けず、だからといって意見を我慢することなく、 自分も相手も尊重しながら意見を伝えるためのコミュニケーションスタイルを身に着けることも効果的です。アサーションに関してはこちらの記事で詳しく述べています。
アサーションって何? 仕事でもプライベートでも使える、爽やかな自己主張の手段
自分も相手も尊重する、アサーティブなコミュニケーション術とは
アサーティブな会話で生きづらさを解消! 爽やかな自己表現のための6つの例
・生活習慣
生活習慣であれば、夜更かしなどはストレスを増やす代表例でしょう。睡眠はメンタルヘルスの維持に重要だからです。
【対処法】
コンピュータやスマホ、テレビなどを就寝前1時間は見ないといった方法もあります。紫外線は覚醒状態にする効果がありますので、夜更かしの元になりかねません。
②ストレスを増大させる解消法をやめる
ストレスの特徴としてやっかいなことの一つは、ストレス解消法としてよりストレスのかかる方法を選んで行動してしまうことです。そうした行動を避けることも、ストレスをコントロールするためには有効です。
具体的に避けた方がよい行動と、その対処法をまとめてみましょう。
・飲酒
気分転換になる程度ならいいですが、ストレスのかかっているときには深酒になることも。そのため寝不足や二日酔い、酔っての失敗など、翌日には最悪の状態になっているなら、ストレスを感じているときには飲まない方がいいでしょう。
【対処法】
ストレスを感じているときは、これまでの失敗を振り返ることもなく、「飲みたい」と思ってしまうことも多いでしょう。そんな人にお勧めなのは、飲みに行く前の行動を避けること。
例えば、飲み友達に電話をかけないようにする、飲み屋や酒屋に立ち寄れるルートを変更する、といった具合です。
本当に楽しく飲めるときのために、時間とお金を使うようにしてみましょう。
・暴食
ジャンクフードやスイーツ、炭水化物の大量摂取は、イライラした気持ちを落ち着かせたりするものです。しかし翌日に胃もたれを起こすほど食べてしまうなら、ストレスを感じている時には、大量の食事を買わないようにしましょう。
【対処法】
ジャンクフードやスイーツを大量に購入する人にとっての天敵はコンビニエンスストアでしょう。とにかくフラッと立ち寄らないようにするために、コンビニに近くのをやめましょう。同じく大盛りができる店、ついつい大量買いしがちなパン屋なども、イライラが収まるまで近づかないようにしてみましょう。
・買い物
買い物でストレス発散すること自体、悪いわけではありません。しかしカードなどの支払いが、翌月の生活を圧迫するぐらいまで買ってしまう人は、イライラが収まり、自分が欲しいものをしっかりと選べるようになるまで買い物を避けましょう。
【対処法】
現金を少なめに持ち、クレジットカードを持ち歩かないようにするだけで、衝動買いはかなり減ります。銀行に行って、お金をおろしてまで買いたいと思わないことが多いからです。ウィンドウショッピングでストレス解消ができるなら、それに越したことはありません。イライラしたら簡単に買い物ができない状態で出かけてみましょう。
・先延ばし
ストレスフルな状態で先延ばしをする人は少なくありません「もう見たくない」という気持ちが、先延ばしを生んでしまうからです。しかし先延ばしはストレスを高めることはあっても、軽減にはつながりません。より大きなストレスになる前に片づけましょう。
【対処法】
先延ばしの対策としてよく言われるのが、とにかく始めること。人は「作業興奮」といわれる、一度作業を始めると湧いてくる集中力や意欲があります。だからこそ、とにかく手を付けることが先延ばし対策として有効なのです。
また作業を始めやすいように、小さく作業を分けていくリスト化するといった方法も有効です。
③ストレスを軽減する生活習慣を守る
①と②はストレスを増大させる行動でしたが、ストレスを減少させる生活習慣もあります。
その代表は、身体によい食事を心がけ、十分な睡眠を取り、適度に運動をすること。そうした当たり前の生活がストレスに負けない身心をつくっていきます。ストレスが溜まるとジャンクフードや夜更かしの誘惑が強くなると思いますが、ストレスを感じたときほど健康的な生活をしてみましょう。
また仲間と楽しい時間を過ごすことも、ストレス解消に大きな効果があると言われています。ストレスから誰にも会いたくないと思うこともあるかもしれませんが、ときには人と話してみましょう。
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今日はストレスの実践的な対処法についてまとめてみました。ストレスのコントロールは、誰にとっても必須のスキルになりつつあります。参考にしてみてください。
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監修:日本産業カウンセラー協会
参考:「6 Strategies for Managing Stress」(Gregory L. Jantz Ph.D./Psychology Today)