不安を増大させる危険な「反芻思考」を招く3つのパターンと対処法

同じことを何度も何度もネガティブな記憶を思い返して、落込んだり、不安になってしまうことはありませんか? それが反芻思考です。今日は反芻思考になりやすいパターンとその対策をまとめてみした。

  • 「考えないようにする」は厳禁!
  • 性格の変化だと思い込まない
  • 他人から無視されたと思い悩まない
  • 他人が自分と同じような価値観を持っていると考えない

「考えないようにする」は厳禁!

失敗したときの記憶のことを思い出して何度も後悔する。ツライ記憶を何度も思い出し、これからの未来を不安に感じてしまう。そんな経験を持っている人は少なくないでしょう。しかし、こうしたネガティブな出来事を何度も思い出して不安になったり、落込んだりする「反芻思考」は、メンタルヘルスにも悪影響だということが判明していいます。

というのも抑うつ症状やうつ病との関連性が指摘されているからです。実際、ネガティブな記憶を何度も思い出して落ち込むことで、心は変えようのない過去の出来事に縛られてしまいがちです。

ただ、当人としても思い出したいわけでも、それで落ち込みたいわけでもありません。自然に何度も考えてしまうのが、反芻思考の怖いところです。だからといって考えないようにするのは間違いです。

米国で実施された有名な「シロクマ実験」をご存じでしょうか?

これはシロクマの映画を実験参加者に見せた後、シロクマのことを考えないようにと指示を与えた実験です。結果、シロクマのことを覚えておくようにといった指示よりも、映像の記憶がしっかりしていたことがわかったのです。

つまり考えないようにすると、余計に記憶が強化されてしまうのです。だから反芻思考になったときは、考えないようにするのではなく、過去の記憶と距離を置く必要があります。

ただ、実際にづどうやって対処すべきか迷うことも多いでしょう。そこでアリス・ボーイズ博士がまとめた反芻記憶になりやすい思考パターンと、その対策を紹介していきましょう。


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①性格の変化だと思い込まない

「すっかり性格が弱くなってストレスに耐えられない」「頑張れない体質なってしまった」。そんな思いが頭を占めているようなら要注意です。

決断が下せない、ストレスへの耐性が下がった、頭の回転が鈍くなったといった変化に直面すると、性格や能力が変わってしまったと思いがちです。しかし実際にはストレスが原因かもしれません。

忙しくて睡眠時間を削って働いているときは、不安が強くていろいろなものから逃げ出していたのに、ストレスから解放されたら困難な状況にも対応できた。そうしたことは、決して珍しい話ではありません。

一時的に性格や能力が変わったと感じても、ストレスフルな生活を抜け出せば元の自分に戻れる。そうした事実を知ることが、反芻思考に取り込まれないカギになるかもしれません。

【対策】
まず、日々の生活の状態ついてチェックしてみましょう。
睡眠時間が足りていない、人間関係が悪い部署に移動した、仕事が忙しすぎるなど、ストレスが溜まっている現状を把握し、どうすればそうした環境を改善できるのかを考えます。

その上で、現在は一時的に性格や能力が変わってしまったように感じるけれど、元気になれば元の自分に戻れると考えてみましょう。

②他人から無視されたと思い悩まない

電話やメールを無視されると、寂しさややるせなさを何度も思い返してしまいがちです。「嫌われた」「何をしてしまったんだろう」といったことを、何度も思い悩むようなら要注意。反芻思考のワナにはまっている可能性があります。

というのも相手の電話やメールの無視の原因は、必ずしも嫌悪感とは限らないからです。何らかの負担が大きくて、不安を避けようとして無視している場合がかなりあります。

例えば仕事が忙しくて、恋人の電話に出ないといったこともあるでしょう。あるいは仕事が回らないから、優先順位の低い仕事の連絡を受けたくないといったことや、プレッシャーを感じる人の連絡から逃げるといったこともあるでしょう。

無視されること自体、ショックな出来事なので反芻思考に陥りがちですが、それは自分が嫌われたからという理由ではないかもしれません。

【対策】
無視された理由を、自分が嫌われたからと考えるのをやめましょう。人が無視する理由は、けっこう多いもの。相手が自分を無視するのに、どんな理由があるのかを幅広く考えてみましょう。

③他人が自分と同じような価値観を持っていると考えない

他人から傷つく言葉を投げかけられたとき、相手も自分と同じような価値観を持つと思いがちです。その結果、「どうして、あんなひどいことを言うんだろう」と、うつうつと考えてしまいます。

しかし、あなたを傷つけるような言葉は、何も考えていない、何気ない一言だったかもしれません。人によって重要だと感じているものが違うため、自分にとって配慮の足りない言動でも、相手にとっては気にするようなことではないのかもしれません。

相手も同じような価値観をもっているという前提で考えると、自分を傷つけた言動について繰り返し考えがちです。そうした思考から自らを解放しましょう。

【対策】
相手がどんな気持ちで自分が傷つくような言葉を投げかけたのかを、冷静に考えます。相手に悪意がないことがわかると、こちらが感情を害しているのがバカらしくなるかもしれません。腹は立つけれど、反芻しても仕方がないと思えれば成功です。

反芻思考への対策は、距離を取ってその思考を捉え直すことです。そこで反芻思考に陥りがちなパターンと、その対策をまとめました。参考にしてみてください。

人の心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会

参考:「3 Cognitive Errors That Can Lead to Rumination」(Alice Boyes Ph.D./Psychology Today)

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