本当にやりたいことを知り、自己認識を高める3つの方法

「自己認識」(セルフアウェアネス)という言葉に注目が集っています。というのも自分のことを理解する人は、自信があって、創造的で、強い人間関係を構築し、コミュニケーション能力も高いといった研究結果があるからです。そこで「自己認識」の高め方をまとめました。

  • 人間関係を強化する自己認識
  • 自己認識ができる人は1割程度
  • 3つのエクササイズ

人間関係を強化する自己認識

もともとリーダーの素質として重要だとされていた「自己認識」ですが、近年ではあらゆる人に重要な能力だとされています。「自己認識」がどれだけ重要なのかは、自己認識が低い人を想像すればわかるでしょう。

自分の強みや弱みを理解しておらず、不得意なことを引き受けて失敗したり、自分の目標がどこにあるのかも定まらない。その一方で、自己評価だけは高かったりする。これでは信頼関係を深めることも難しくなります。

人は誰でも長所と短所があるものです。だからこそ、それらを的確に把握して、自分が弱い部分は周囲に協力を求めていく。そうした姿勢は、より良い人間関係につながっていくでしょう。

また自己認識が高い人は、自分の強みを生かして、自分が本当に好きなことを仕事にできる可能性が高くなります。高い自己認識を基礎にして将来を思い描き、目標設定をしていくことは、自分のキャリアを構築していく上でも大切なのです。

自己認識ができる人は1割程度

自己認識の重要性は知られるようになってきていますが、自己認識の高い人は多くないようです。

組織心理学者であるターシャ・ユーリック氏によれば、ほとんどの人が自分のことをわかっていると信じているのに、実際に自己認識ができている人は10~15%だったというのです。

「自分のことを棚に上げて」といった表現がありますが、ほとんどの人が自分のことがよくわかっていないままに行動してようです。

また自己認識を高める方法として、他者からのフィードバックを推奨しているケースも多いのですが、これも容易ではありません。

まず、正直に自分の長所や短所を指摘してくれる人を見つけるのが簡単ではないでしょう。いくら正直にとお願いしても、関係性に配慮した発言になってしまうことも少なくないからです。

さらに、そうしたフィードバックを素直に受け取れるのかという問題もあります。自分が見たくない側面に目を向けることは簡単ではないからです。

3つのエクササイズ

ハーバード・ビジネススクールの元教授であるロバート・スティーヴン・カプランは、自己認識を高め、心から好きだと思えることを探すためのエクササイズを提案しています。

他人からのフィードバックを受けるといった難しさもないので、気軽に試してみてはいかがでしょうか?

① あなたが余命1年しかないとしたら、どう過ごしたいのかを考える
このような状況を想像しにくい人は、病院で余命宣告を受けたところから考えてみるといいでしょう。現在の仕事をどうするのか、何に時間を費やしたいのか、どんなことに情熱を注ぎたいのかを考えて書き出してみましょう。

② 何でもできる資金力があるなら、どんなキャリアを目指したいか考える
経済的な問題を取り払い、本当にやりことが何なのかを考えてみましょう。仕事だけではなく、自分の人生全般を見直してみましょう。本当に大切なものが何かを考えるきっかけになるように、気づいたことを書き出してみましょう。

③あなたが子どもや孫に語りたい人生を考える
自分の選んだ人生を、どのように説明したいのかを考えます。現在の生活に捕らわれず、どんなことを語りたいのかを考えて書き出してみましょう。

人は得てして「どのようにやるのか」に焦点をあてがちです。そのため現状でどうにかなることに力を注ぐことが多くなります。しかし「何をやるか」に焦点を当てれば、自分が今できることにも気づきますし、さまざまなチャンスにも気づくようになるものです。

すぐには実現できなくても、できる事から始めてみようと思えたら、それが新たなスタートになりますし、自己認識を高めていくきっかけにもなるでしょう。3つのエクササイズをすべて実行する必要はないので、実行しやすいと感じるものを試してみてください。

今日は自己認識を高め、心から好きと思えるものを探す方法をまとめました。参考になれば嬉しいです。

自分のことをもっとよく知りたいと感じるなら、こちらをクリック!

監修:一般社団法人日本産業カウンセラー協会

参考:『ハーバードビジネスレビュー セルフ・アウェアネス』(ダイヤモンド社)

働く人の心ラボは、働く人なら知っておきたい『心の仕組み』を解説するサイト。
すぐに応用できる心理学の知識が満載の記事を配信しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です