自信を取り戻すために避けたい5つのパターン

自信の大切はよく言われてことです。しかし自信を持とうと思っても、日々くじけてしまうことも多いもの。そこで何が自信をくじくのか、ハーバード・ビジネススクールのロザベス・モス・カンター教授の説を紹介しましょう。

  • 日本人の「自信のなさ」は世界トップクラス
  • 自信をなくす5つのパターン

日本人の「自信のなさ」は世界トップクラス

自信を持てば、自分を取り巻くさまざまなことが変わるのは事実でしょう。簡単には諦めなくなりますし、挫けることも少なくなります。また印象も大きく変わるため、対人関係にも良い影響を及ぼすでしょう。

ただ日本人は世界的に見ても自信がない人が多いと言われています。カナダ、アメリカ、イギリス、オーストラリア、中国、シンガポールなど世界22ヵ国でビジネス向けSNS「LinkedIn」が3万570人を対象に調査した結果によれば、「今後1年の個人的な経済状況」や「成功するという自信」で最下位となっています。

また、2018年に博報堂生活総合研究所が実施した「生活定点」調査でも、「自力自信(自分自身の力による自信)がある」と答えた人は42.9%です。調査を開始した1992年当初と比べると、全体的にその割合が下降傾向にあります。

これは統計上で過去30年近く賃金が上がることもないという社会状況で暮らしている影響も大きいのかもしれません。

いずれにしても自信を持ちにくい環境であるなら、自信を失う要因を遠ざけるといった対策も有効でしょう。


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自信をなくす5つのパターン

そこでロザベス・モス・カンター教授が指摘する自信をくじくポイントと、その対策を紹介していきましょう。

①大きすぎて遠すぎる目標
大きな目標を立てないと成長はないといった指摘はありますが、あまりに現実感のない目標は自信を削いでしまいます。大きな目標を持つときは、それに合わせて小さな目標を立てるようにしましょう。

自信をつけていくのは、日々の達成できる行動です。大きな目標に通じる、小目標を意識して、自分の小さな一歩を確認するようにするよいいようです。

②敗北主義
挑戦する前から失敗を確信しているような態度は、自信をどんどん失わせていきます。このような態度は挑戦を避けるようになるわかりではありません。心理学で「予言の自己成就」と呼ばれるように、根拠のない思い込みであっても、失敗しそうだと考えて行動することで、失敗する未来が実現してしまうといったことも起きるのです。

絶対に失敗すると思い込んでしまえば、積極性もなくなり、意志も弱くなるため、失敗する可能性が高まるのは当たり前でしょう。

こうした思いを克服するのは、簡単ではないかもしれません。しかし小さな挑戦を繰り返し、少しずつ思い込みを変えていくことが重要でしょう。仕事などで自信を回復するのが難しいと感じたら、まず自分の特異なもの、好きな分野で成果を出していくのもおすすめです。

③他人への非難
これは意外に思うかもしれませんが、他人を避難ばかりしている人は自信を失う傾向にあるそうです。というのも自信を持つためには、自分の行動に責任を持つことが重要で、他人のせいにするような行動は自信喪失につながるからです。

まず、失敗があっても他人を避難するのをやめて、自分に何ができるのかを考えていくことで自信をつけていきましょう。

④失敗への無防備
現実の世界では小さな失敗が数多く起こります。そうした失敗のリスクにまったく対策を立てない無防備さは、自信を失わせます。さまざまな問題が起きることをあらかじめ想定し、その対策も考えて計画を進めることで、自信を維持する可能性が高まるのです。

いろいろな角度から計画を見直し、失敗のリスクも想定して進むこと。それが自信を失わせない方法です。

⑤他人に協力を求めない
何でも自分でできるといった態度は、自信を失わせることになるそうです。他者を助けることは、幸福と自尊心を高めることが知られています。チームの力を信じ、人を助け、協力するようにすれば、自分が助けてもらう機会も増えていきます。

すべてを一人で抱え込むような状況は、結果的に自分の自信を奪っていくのだということを覚えておきましょう。

自信を持てば、失敗さえも成功へのシミュレーションと思えるようになります。現実は考え方によって見え方が変わってくるものです。なかなか自信を持てない人は、まず自信を失う行動パターンを変えてみてはいかがでしょう。

ビジネスに役立つ心理学の知識に興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会

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