新年の目標を掲げたものの挫折したという人も多いことでしょう。このままいけば、目標もなく1年を過ごしてしまうかもしれません。そこで挫折しない目標設定のコツを学び、仕切り直してみませんか?
- 楽しいことしか続かない
- 楽しさを探す
- 小さな目標をつくる
- 人に伝える
楽しいことしか続かない
新年に立てた目標に向けて努力している人は、どれぐらいだと思いますか?
サンタクララ大学のデビッド・B・フェルドマン教授によれば、米国のでは74%もの人が新年に目標を設定し、多くの人が1月19日には目標達成をあきらめているそうです。つまりほとんどの人が新年の目標を達成できないどころか、1ヵ月間、続けることすらできないものなのです。
どうして、こんなことが起こるのか。その原因を探るのに、コーネル大学のケイトリン・ウーリー助教授たちの実験が役立つかもしれません。
彼女たちの心理実験は、お金をもらって音楽または目覚まし時計の音を聞くといったものでした。多くの人は金額の高い目覚まし時計を選択したのですが、結果的にビートルズの曲を聞いた人の収入が目覚まし時計の人たちより多かったそうです。
この実験は、不快なことを人がどれだけ継続できるのかを調査することが目的でした。ちょっと不快な音を聞くぐらいと思って、多くの人は目覚まし時計の音を選択したのですが、それを継続するのは容易ではないのです。
モチベーションの専門家であるアイレット・フィッシュバッハ博士は、新年の目標を3月まで続けている人を調査しました。その結果、3月まで健康食品を食べ続けていた人は、その食品が好きな人だったそうです。どれほどの決意を持って目標設定したのかではなく、その食品が好きかどうかで持続できるかが決まる。その当たり前の事実が、この研究で明らかになりました。
たとえお金をもらえるといった企画でも人は目覚ましのような不快に耐えられず、健康にいい食品であってもおいしいものしか続かない。それが人間の性質のようです。
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楽しさを探す
つまり目標を達成するためには、何かしらの「快楽」が必要になるようです。その観点から新年の目標を見直してみましょう。我慢を強いる目標になっていませんか?
その我慢を「快楽」に変えるように、目標を変更する必要があります。そのためのコツを紹介していきます。
コツ①楽しい活動を選ぶ
例えば運動を続けたいのなら楽しめるスポーツにしましょう。健康食品を食べ続けたいならば、おいしい商品を選びます。目標を達成するための行動を楽しめるように、さまざまな選択肢をリストアップして試してみましょう。実際に体験してみたら、思った以上に面白いといったこともあるかもしれません。
コツ②楽しい活動にする
例えば早起きを習慣にしたいなら、その気持ちよさを発見してみましょう。日の出が美しいと感じたら、コーヒーなどを用意して朝日を楽しむといった方法もあるでしょう。またランニングを続けたいなら、好きな音楽を聴くようにするといった方法もお勧めです。
とにかく目標を続けるために、どうやれば楽しい活動になるのかを考えましょう。
さて、目標の中には、どうやっても楽しくできないものも含まれます。例えば資格試験の勉強を面白いと感じるようにするのは簡単ではありません。ただし人は面白くない活動であっても、短期的に成果の出るものは続けられるという特性があります。
コツ③小さな目標をたくさんつくる
そこで小さな目標をたくさんリストアップしてみましょう。簡単なものから難しいものへと設定し、小さな成功体験を積み重ねていきます。成果が出にくいものなら、1ページ、テキストを読むといった勉強量でも構いません。成功体験はモチベーションをアップしますので、リスト化して日々の成功が目に見えるようにしましょう。成功のたびにご褒美を設定するのもお勧めです。
人に伝える
3つのコツを使えば、目標設定はかなり改善されます。ただ、何となく目標に向けた活動を止めてしまうケースがあったりします。会食でお酒を飲み、いつもの習慣だった資格試験のテキストを読む習慣を止めてしまった日から、何となく勉強が手につかない。そんなことが起きてしまうものです。
そんなときに役立ちそうなのが、エモリー大学の調査です。
米国人3000人にした研究で、結婚式の参列者が多いカップルほど、離婚率が低いことがわかったそうです。これは多くの人の前で結婚を誓い合ったからだと分析されています。
この実験結果は目標達成にも活用できます。
コツ④目標を人に伝える
自分の目標を他人に伝え、放り出すのが恥ずかしいという環境にしてしまいましょう。大きな目標だけではなく、小さな目標も伝えるようにすれば、一時的に習慣が途切れても復活しやすくなります。
自分の目標を応援してくれそうな人に、どんどん目標を宣伝してみましょう!
今日は新年の目標達成に挫折しそうな人に向けて、目標を達成するためのコツを4つお伝えしました。せっかく立てた目標を放棄しないためにも、一度、見直してみましょう!
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監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:『科学的に元気になる方法集めました』(堀田秀吾/文響社)/「Why Most People Ditch Their New Year’s Resolutions By February」(Ayelet Fishbach Ph.D./Psychology Today)